東日本大震災で児童ら84人が犠牲となった、宮城県石巻市の大川小学校で、新任の教職員を対象に学校防災を考える研修が行われました。

 この研修は、県内の学校に勤務する新任の教職員向けに県教育委員会が2021年から行っているものです。

 大川小学校での研修には141人が参加し、元教員で当時小学6年生だった次女を亡くした佐藤敏郎さんの話に耳を傾けました。

 佐藤敏郎さん「大川小学校のことはいろいろ調べれば分かると思いますけど、たった一言、どこどこの山に逃げると書いてあって、それを共有していれば誰も死ななかったんだよ。未来は変わってるんだよ。たった1行だよ」

 亡くなった娘と同年代の参加者を前に、佐藤さんは児童たちが当時避難した経路をたどりながら「平時からの備えが大切」と訴えました。

 佐藤敏郎さん「平時にいかに気付くか、私たちは失って、失敗して、悲しんでそれで初めて気づいたことがあります。その前にしっかり気付くべきことかと思います」

 その後、近くのホールに移動し、当時6年生だった長女を亡くし、現在県内の中学校で校長を務めている平塚真一郎さんの話を聞きました。

 平塚真一郎さん「もし目の前の子どもたちに何かあったときに、周りに誰もいない管理職もいない、皆さんが判断しなければならない。その時に大事なのは、命を守るということが最優先です」

 宮城県支援学校小牛田高等学園石塚安未さん「子どものことを第一に考えて行動しなければならないと改めて実感する機会となった」

 東松島市立矢本第二中学校畠山知也さん「子どもたちを守り抜かないといけないなという使命感と同時に、日ごろからの防災意識を高く持たないといけないと感じました」