新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、雇用対策のため国が支給する雇用調整助成金についてです。宮城県での不正受給額は約3億円に上ることが分かりました。

 雇用調整助成金は、従業員に休業手当を払って雇用を守った企業などの負担を国が助成します。一定の役割を果たす一方、不正受給も目立っています。

 宮城労働局によりますと、加美町の印刷会社中村印刷は2月までの1年半ほどの間で1185万円を不正に受給していたということです。

 実際は働いていた従業員を休まていたかのように装う書類をつくって申請していたことが、宮城労働局の訪問調査で発覚しました。 不正受給額は1185万円で、宮城県では過去3番目に多い額です。

 中村印刷の中村文紀社長はkhbの電話取材に対し「コロナで仕事が減り、赤字続きのためやってしまった。不徳の致すところです」と話しました。

 約240万円の加算金を含め、全額を返金したということです。

 雇用調整助成金の県内の不正受給は、コロナ対応のため仕組みが拡充された2020年以降で23件あり、金額は合計で2億9000万円を超えました。