2020年9月、宮城県柴田町の男性が闇サイトを通じて犯行依頼を受けた男に自宅で殺害された事件についてです。仙台地裁で3日、犯行を依頼したとして殺人の罪に問われている男の裁判員裁判が始まり、男は「殺人なんてやっていません」と起訴内容を否認しました。
殺人の罪に問われているのは、山元町の元建設作業員岩見尭明被告(29)です。
起訴状などによりますと岩見被告は、SNSを通じて犯行を依頼した実行犯の森満受刑者と共謀し2020年9月、柴田町の住宅で毛利哲雄さん(当時74歳)を包丁で突き刺すなどして殺害した罪に問われています。
毛利さんの長男と金銭トラブルとなった岩見被告は、ツイッターで殺人依頼を募集する投稿を見つけ、長男の殺害を氏名不詳の第三者に依頼したとされています。
金に困っていた森受刑者が、第三者からの依頼を500万円の報酬で受け犯行当日、玄関先に出てきた毛利さんを長男と間違って、包丁で突き刺し殺害しました。
森満受刑者は、既に懲役19年の実刑が確定しています。
今回の裁判では、犯行を依頼したとされる岩見被告と実行犯の森受刑者との共謀が成立するかが争点となります。
3日の初公判で岩見被告は「私は殺人なんてやっていません」と起訴内容を否認しました。
検察側は冒頭陳述で「岩見被告は大学時代、毛利さんの長男に現金109万円をだまし取られ、その恨みで殺人を依頼した。闇サイトを使った計画性の高い犯行で社会的影響も大きい」と指摘しました。
一方、弁護側は秘匿性の高いメッセージアプリ、テレグラムを使いやりとりをしたため証拠が残っていないとしたうえで「報復を依頼しただけで殺すことは頼んでいない」と共謀の成立を否定しました。