円安の影響による食品価格の値上がりは、輸入チーズにも及んでいます。そうした中、高品質で価格が比較的安定している、国産チーズが注目されています。

 国内のチーズ市場の約8割を占める輸入品のチーズ。円安やウクライナ情勢などの影響で、価格が不安定な状態が続いています。

 財務省によりますと、ナチュラルチーズの輸入額は8月の時点で1キロ当たり680円と、前年の同じ時期と比べて約4割高くなっています。

 そうした中注目されているのが、比較的価格が安定していて高品質な国産チーズです。 宮城県蔵王町の蔵王酪農センターでは、これまで取引の無かった県外の飲食店からの問い合わせが増えています。

 蔵王酪農センター笠原新一理事「輸入の乳製品の価格がかなり上がりましたので、元々国産の乳製品の方が高い傾向にあったんですけれども、その価格差が縮まったのがメリットというか」

 特に賞味期限が1週間程度と短いモッツァレラチーズは、海外から数日かけて輸入するよりも国産の方が新鮮で美味しいと評判で、国産品に切り替える飲食店も増えつつあります。

 しかし、円安のメリットだけが大きいわけではありません。

 蔵王酪農センターでは肥料やエサなどの大部分を輸入に頼っているほか、燃料費の高騰も加わり、チーズの製造にかかる費用は増えています。

 蔵王酪農センター笠原新一理事「燃料とかあとは電気代とか、あとは様々な資材とかの経費が上がってますので、そういった意味では国産の乳製品、私ども含めて値上げさせていただかなければいけない状況にはあるので、全体的にはまだ円安のメリットは少ないかなと見ています」