7月の記録的な大雨で堤防が決壊した、宮城県大崎市の名蓋川の復旧方法などを議論する県の検討会は、被害が大きかった約4キロの区間で堤防を強化し、かさ上げする復旧案を了承しました。

 大崎市を流れる名蓋川は、7月の大雨で3か所で堤防が決壊し、周辺の広い範囲で浸水などの被害が出ました。

 2日に復旧方法などを議論する有識者の検討会の最終会合が開かれ、県側が示した浸水被害の大きかった約4.1キロの区間で堤防をかさ上げし、抜本的に作り変えるとの対策案が了承されました。

 具体的には、堤防の土を水がしみ込みにくい土に入れ替え、水を通さないシートやコンクリートで覆うことや、堤防の高さを最大で1メートル上げることなどが盛り込まれています。

 県は、集落を堤防で囲む輪中堤など、川の水があふれることを前提にした案も検討しましたが、費用の面や住民の意向などを踏まえて堤防をかさ上げする案を示しました。

 名蓋川復旧対策検討会風間聡座長「コスト面とかいろいろな対策を考えた上で、河道のみで堤防をつくるというようなやり方でうまくいきそうだということが決まったことがポイントだと思います」

 県は、早ければ2023年に工事に着手する方針です。