宮城県は、2022年5月に公表した津波の浸水想定で、地震が起きた場合の建物の被害額が4兆4000億円に上る試算を公表しました。

 県が示した津波の浸水想定では、悪条件が重なる冬場の夕方に起きた場合、死者は約5500人に上るとの試算が示されています。

 22日の会議では、この条件によるインフラの被害想定が示され、建物の被害額は東日本大震災を1兆6000億円ほど下回る4兆4000億円になると公表しました。

 地震直後の停電の被害は、全体の56%に当たる130万人に及び、このうち13万人は1カ月後まで被害が続くということです。

 委員からは「東日本大震災の被害に比べて想定が小さい」という指摘や「病院や避難所を考慮した想定が必要」という意見が寄せられました。

 座長を務める長谷川昭東北大学名誉教授「東日本大震災は常に頭の中にあって、そのことを念頭において検討を進めてきたと思います。想定結果に幅があるということを念頭に対策を立てていただきたい」

 会議では、2023年度に減災目標の設定を含めた最終報告書を取りまとめることにしています。