宮城県栗原市では、日本最古といわれる染色技法で染める正藍冷染の作業が盛んに行われています。

 栗原市栗駒の千葉家に代々伝わる正藍冷染は、染料の藍に熱を加えず自然発酵させることが特徴です。

 正藍冷染を受け継ぐ4代目の千葉正一さんが、染料が入った桶に反物を浸し藍色に染め上げていきました。

 今は正一さんが技法を受け継いでいますが、先代の母親まつ江さんは5月に老衰のため93歳で亡くなりました。

 まつ江さんは千葉家に嫁いでから義理の祖母と母から技法を学び、藍染が2010年に宮城県の無形文化財に指定され、まつ江さんがその保持者となっています。

 工房に置かれた写真のまつ江さんが見守る中、正一さんが丁寧に反物を染め上げていきました。

 藍の出来がとても良いということで、染めた反物は自宅前の清流で洗い軒下に干すと、美しい藍色が浮かびました。

 千葉正一さん「良い色なのできれいに染まりますよね、安心して染めれますね。(まつ江さんは)分からない所は1回2回言ってもらって、後は自分でやって覚えろという人だったんですね」

 正藍冷染の作業は、7月中旬まで続きます。