北太平洋で約2カ月半にわたり実施されていたクジラの生態調査の調査船が宮城県の塩釜港に帰港し、希少種のセミクジラを確認したといった成果が報告されました。

 この調査は、クジラの資源管理のため日本政府とIWC=国際捕鯨委員会が2010年から実施していて、今回で14回目です。

 5日朝に塩釜港に帰港した第二勇新丸)は、7月末から10月上旬まで70日間にわたりアメリカのアリューシャン列島南側の海域で、目視による個体数の把握調査などを行いました。

 調査活動の説明会では、希少種のセミクジラを5頭確認できたと報告されました。セミクジラは、18世紀ごろ油の採取のため欧米諸国によって乱獲され、今も個体数が回復せず北太平洋の東側には約30頭しかいないといわれています。

 調査団長の東京海洋大学村瀬弘人准教授「今回はセミクジラというクジラの発見が大変珍しかったと。得られたデータを使って希少種の研究も進むことが期待されています」

 今回の調査ではシロナガスクジラが9頭確認され順調な回復がみられるほか、日本の商業捕鯨の対象となっているイワシクジラも多数確認できたということです。