2022年7月、仙台市太白区の路上で登校中の女子中学生2人を包丁で刺し殺害しようとした罪に問われている男の裁判員裁判で、仙台地裁は懲役16年の実刑判決を言い渡しました。

 住所不定無職の尾張裕之被告(45)は2022年7月、太白区大塒町の路上で登校中の女子中学生2人を背中から包丁で刺し殺害しようとし、殺人未遂の罪などに問われています。

 これまでの裁判で検察側は「力の弱い女性や子どもなどを選び犯行を行い、殺傷能力の高い刃物を選んだ」などとして懲役17年を求刑していました。

 一方、弁護側は「精神障害による妄想が犯行の動機を形成した」として無罪を主張していました。

 判決で仙台地裁の宮田祥次裁判長は「罹患していた妄想型統合失調症はストレス因子にはなったが、犯行に直接的な影響は与えていない。善悪の判断やその判断に基づき自分の行動を制御する能力に問題はなく、責任能力があったと認められる」などとして、懲役16年の実刑判決を言い渡しました。