東日本大震災で全国から支援を受けた宮城県の老舗酒蔵が、能登半島地震で被災した石川県の酒蔵の支援に乗り出しています。

 能登半島地震では、酒蔵も大きな被害を受けています。能登町の数馬酒造は、地震で建物が損傷したほか、断水が続く影響で酒造りが困難な状況となりました。

 こうしたなか、支援に乗り出したのが宮城県の老舗酒蔵新澤醸造店です。

 数馬酒造とは、2023年7月に海外で行われた品評会の表彰式で知り合い親交がありました。

 新澤醸造店杉原健太郎専務「我々も行っていいものか悪いものか判断が難しかったのですけど、まず行ってみようと。もろみも絞れないというか、電気も水もめどが立たないという状況で」

 16日の夜、約3トンの水を積んだトラックで宮城県を出発し10時間以上をかけて能登町の数馬酒造に到着しました。

 水を渡して空になったタンクに日本酒の元となるもろみ約1トンを入れて宮城県に戻りました。

 新澤醸造店杉原健太郎専務「お酒を絞るということと、瓶に詰めることを現実的に数馬酒造さんで本来であればやりたかっただろうし」

 新澤醸造店は、東日本大震災の経験からいち早く支援に乗り出しました。

 約140年に渡って酒造りを続けてきた大崎市の蔵が全壊するなど大きな被害を受けましたが、その時に応援に駆けつけてくれたのが全国47の酒蔵でした。

 全国から温かい支援が寄せられ、今度は自分たちが支援する番だと考えています。

 新澤醸造店杉原健太郎専務「本当に僕らたくさん支援をいただいて今こうやってお酒を造れているので、僕らも同じような体験をしているというところで何かお手伝いできることがあったら全力でやれればなと」