東日本大震災から3月11日で13年になります。宮城県利府町では、震災で受けた支援への感謝の気持ちを込め地場産品を販売するイベントが開催されています。

 利府町のグランディ21で8日から始まったイベント、おもてなし物販ブースでは利府町の地場産品8種類が販売されています。

 梨を使った焼き肉のたれに梨100%のジュース、梨をふんだんに使ったレトルトカレーなど利府町特産の梨を使った商品がずらりと並んでいるほか、洋菓子店の商品なども販売されています。

 このイベントは、13年前の東日本大震災で被害を受けた際に利府町を訪れた人たちから多くの支援を受けたことから、感謝の気持ちを伝え復興した姿を見てもらおうと開催しました。

 利府町商工観光課李訓承さん「支援への感謝に対するおもてなしをしようというイベントになります」

 このイベントは10日まで開催されています。

 震災に伴う集団移転先となった岩沼市の玉浦西地区では、見守りなどのコミュニティ支援事業が3月末で終わります。被災者たちが集会を開き、これまでの支援に感無量と感謝の言葉を述べました。

 東日本大震災で被災した岩沼市沿岸部からの集団移転先となった玉浦西地区は、コミュニティを重視したまちづくりを進めてきました。

 見守りのための戸別訪問など岩沼市によるコミュニティ支援事業が3月末で終わるため住民や支援者など50人ほどが集まり、被災からの歩みを振り返りました。

 戸別訪問やイベントで住民と行政の橋渡しを担ってきたのは、青年海外協力隊の元隊員らでつくるJOCA東北です。

 JOCA東北笠田一成さん「住民の方、ほとんどつながりが確認できたり、面倒見のいいおせっかいな住民がいっぱいいたり、しっかりした街になってきている。事業が終わってしまうのはすごいうれしいし喜ばしいことですが、寂しいです」

 住民からは感謝の言葉がありました。

 玉浦西まちづくり住民協議会森博会長「本当に感無量。色々思い出しました。支援事業が無かったら私たちの玉浦西もこんな立派にならなかった。本当にありがとううございました」

 震災を風化させないよう、当時の記憶を伝える取り組みが各地で続けられています。南三陸町では語り部バスが8日も運行しています。

 村松一史記者「語り部バスがまもなく出発します。雪が降りしきる中、これから約1時間かけて南三陸町の被災地を巡ります」

 南三陸ホテル観洋が運行している語り部バスは、震災を体験したホテルのスタッフや地元の住民たちが語り部として同乗し、当時の状況を伝えます。

 バスが巡るのは町の旧防災対策庁舎や、民間の震災遺構高野会館などです。

 南三陸ホテル観洋語り部芳賀光夫さん「当時の責任者が生きたかったら残れと、反対に帰ろうとする人に対して下におろすのではなく屋上の方に上げていったそうです。結果的にとどまった327人全員が助かった建物」 語り部バスは、震災があった2011年の春からこれまでに約46万人を乗せて、被災地を巡ってきました。

 「お手伝いした町が変わっていてきれいになってはいると思うけど、時間が長いのか短いのか分からないなと思ってちょっと涙が。できることは無いが。また通い続けて町がどうなっていくかは、また訪れたい」

 震災を風化させないよう起きた出来事を自分の目で見てほしいと、ホテルは毎日バスの運行を続けています。

 南三陸ホテル観洋語り部芳賀光夫さん「年数が変わったことで話す内容は変わらないと思うんです、あった事実が変わらないですから。ただそれに付け加えて、どうやって災害に対する意識を皆さんに持ってもらえるかを考えていきたい」