東京の新型コロナ感染者数は10週連続で増加しています。現在、感染者の大きな負担となっているのが治療薬の費用。3割負担で、3万円近くのものもあります。

■東京 コロナ感染10週連続増加

 東京でも、また増えています。18日午後に発表された東京都の患者の報告数は今月8日からの1週間で7.56人。10週連続で増えたことが分かりました。

 街の人に、その実感を聞きました。

60代の人 「(Q.コロナが増えている実感は?)風邪で休んでいる人が実は…という話は聞く」

40代の人 「ここ1カ月でちらほら周りに数人かかった人はいる」 「(Q.実感は?)ここしばらくなかったのがまた来たんだなって」

■病床ひっ迫 沖縄“医療崩壊”懸念も

 全国で最も感染者が多いのが沖縄県です。

友愛医療センター救急科部長 山内素直医師 「現在、初療室も全部埋まってコロナの患者もいて…。観察室も全部埋まって待合室にも患者があふれている状態」

 沖縄県豊見城市の病院は、すでに病床が逼迫(ひっぱく)。

友愛医療センター救急科部長 山内素直医師 「検査をすれば3人に1人は陽性ということになっている。入院のベッドがなくて救急車の受け入れをお断りせざるを得ない状況。入院をかなり制限しなければいけないような状態が続いている」

 沖縄県の1週間ごとの感染者数を見ると、ゴールデンウィーク前は1医療機関あたり9.77人でしたが、最新のデータでは29.92人に急増。

 沖縄県の発表では、患者の9割が新たな変異株「KP.3」だといいます。

■新変異株「KP.3」 夏特有の事情も

 変異株「KP.3」はアメリカで急増している感染力の強い株だといいます。

友愛医療センター救急科部長 山内素直医師 「今、コロナ禍では全く見なかった外国人観光客もどんどん入ってきている」

 アメリカではバイデン大統領の新型コロナ感染が判明。

 鼻水とせきを伴う症状が現れ、薬を投与。自主隔離生活に入ったとのこと。

 また、あのころのような生活が始まるのでしょうか。

医師 「新型コロナです」 患者 「えっ…えー、こんな後に移ることあるんですか?」

 東京・北区の病院。子どもが感染してから1週間後に母親が感染しました。

患者 「激しいせきをたくさん浴びてたので…」 医師 「暑くてそもそも体調不良になる人も多いし。きょう検査して良かったですよ」

 ジワジワと増える感染者。夏特有の事情も。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長 「倦怠(けんたい)感と喉の違和感だけという方もいますので2日目、3日目になっても熱中症かコロナか、非常に区別付きにくい方もいます」

 保育関係の仕事をしている20代の女性。最初は熱中症の症状だけでしたが…。

医師 「これ、あれだよね。これ手足口病じゃないかな」

 熱中症になった翌日に手足口病、その翌日にはコロナも発症したといいます。

■約3万円も 治療薬“重い自己負担”

 ただ、薬代は去年5類になって以降、公費負担は終了。

 治療薬「ゾコーバ」を希望した60代の男性。

医師 「いいお薬だなと思います。値段がかかること以外は…」

 医師から聞かされた薬代は驚きの金額でした。

 今、新型コロナウイルスの治療薬を希望すると3割負担で…。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長 「1万6500円くらいするけど個人的にはいい薬かなと思ってる」

 新型コロナの治療薬は自己負担3割でも1万5000円から3万円ほどかかります。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長 「『そんなにするんですか?』ということで『やっぱりいいです』というケースが多い。中には10人に1人くらいは『それでも飲みます』と」

40代の人 「(Q.新型コロナの治療薬が1万円を超えてくるものもあるが?)3割(負担)でも1万円…厳しいですよね。ただ仕事の関係上、それを飲んで早く治さなければいけない場面はある」

 今年1月に家族全員感染した女性は…。

今年1月に家族全員がコロナ感染 30代の人 「夫は(治療薬が)1万円を超えてました。びっくりしました。でも早く治るなら…」

■治療薬高額で風邪薬が不足!

 高額になったコロナの治療薬。その代わりに、不足しているのが…。

かける薬局上石神井店 薬剤師 阪口悟志さん 「今、風邪の薬がだいぶ流通が滞っておりまして。例えば、せき止めの薬ですね」 「(Q.今どのくらい入っている?)めったに入らなくて…今、在庫がこれくらい」

 主にせき止めやたんを切る薬が不足。粉末の薬がない場合は錠剤をすり潰し、足りない薬は漢方などに切り替える工夫をしているということです。

かける薬局上石神井店 薬剤師 阪口悟志さん 「一番大きいのは感染症が蔓延して需要が急増した。今のところ回復の見込みは立っていないですね」