夏休み初日の20日は、全国で猛暑日続出となった一方、各地で天気が急変し、ゲリラ雷雨になりました。極端化が進む日本の夏。「史上最高に暑い夏休み」になるとの見方もあります。(7月20日OA「サタデーステーション」)

■「足立の花火」も中止に

報告・仁科健吾リポーター(午後1時ごろ) 「花火打ち上げまで6時間もありますが、フリーの観覧エリアはシートがびっしり。その中でポツンと待つ人もいます」

午後1時ごろ、暑過ぎるのか、場所取りの人もまばらです。

場所取りをする人 「ここからずっといます。毎年このために生きているので」 Q(手元の気温計で)38℃超えてるんですよ 「えー。そんなに」

20日の東京都心は、平年より5℃以上うわまわる35.8℃。都内では熱中症で73人が搬送されました。

場所取りをする人 「ペットボトルがいっぱいこういう風に、冷やしてあるので。暑くなったらこれを首につける」

しかし、花火開始直前の午後7時。

報告・仁科健吾リポーター 「いま雷が光りました」

何度も雷が鳴り響きます。

報告・仁科健吾リポーター 「午後7時前です花火大会の中止が告げられました。みなさん悲鳴を上げながら帰りの準備をしています。これだけ多くの方がが待ち望んでいた花火大会の中止が告げられました。泣いてらっしゃる方もいます」

「足立の花火」は雷の影響で中止に。1万3000発もの花火が夜空を彩るはずでした。

報告・吉成桂吾ディレクター 「さきほど雷の影響で中止というアナウンスがあり、みなさん一斉に帰り始めました」

レジャーシートを傘がわりに使う人もいました。

報告・吉成桂吾ディレクター 「歩道は帰る人たちでぎゅうぎゅう詰めになっています」

慌てて家路につく人たちが駅に集中しました。

■“暑すぎて”利用者減のプールも

水浴びをする親子 「暑いです。すごくやばいです」

水場に多くの人がつめかけていたのは、20日、全国で一番の暑さとなった静岡。体温越えの38.9℃となりました。

20日は35℃以上の猛暑日は2日連続で100地点を超えました。気象庁は来週半ば以降、ほぼすべての地域に「高温に関する早期天候情報」を発表。10年に一度の暑さに警戒を呼び掛けていて、40℃に迫る暑さが予想されています。

災害級の暑さで、すでに大きな影響が出ているのが、埼玉にある人気のプール施設です。

報告・田丸由樹ディレクター(東武動物公園「東武スーパープール」 午前11時すぎ) 「休憩エリアは人がほとんどいません。席がかなり空いています」

実は来場客の少なさには、暑さが関係しているといいます。

東武動物公園広報 白石陽さん 「ファミリー中心の施設なので、気温が高すぎると親も子供を連れて来園されるのが心配なところがあるのか、お客様が減っています」

プールサイドをサーモカメラで見てみると、地面が60℃近い白になっている個所もあります。その上、きょうの水温は33℃となっていました。

東武動物公園広報 白石陽さん 「年々気温が高くなる中で遊びに来てくれるお客様に少しでも快適に過ごしてもらうために、屋根付きのエリアを拡張しました。(水温下げるため)注水したり。あまりに水温、気温が高いと営業できないこともあるかもしれないので心配です」

■去年を超え“最も暑い夏”に?

三重大学大学院気象・気候ダイナミクス研究室 立花義裕教授 「気象の蛇行と海洋の蛇行の両方の影響で、去年を超えるような1番暑い夏になると思います」

なぜ今年の夏休みは例年より暑くなる可能性があるのでしょうか?立花教授が理由に上げたのは、同時に発生している偏西風と黒潮の大蛇行。

立花義裕教授 「偏西風というのは、ちょうど暑さと寒さの境目で吹く。まさに偏西風が上に上がって蛇行すると、日本はすっぽりと熱帯の暑い空気に覆われやすい、これが第一点です。さらに、普通は黒潮は日本の南だけを流れるんですが、それがなんと東北地方の北の方まで行っていて、すっぽりと温かい黒潮に覆われている。長年研究してますが見たことないですね、こんな激しい大蛇行」

南から暖かい海水が運ばれることで太平洋沿岸まで海面水温が上昇。ジメジメした熱い海風が吹き、猛暑になると言います。

立花義裕教授 「不要不急な外出を控えるというような、本当に非常事態だと思いますね」