自民党総裁選、最新の情勢が見えてきました。小泉元環境大臣と石破元幹事長が人気を集めるなか、この2人に割って入る新たな候補が。これまでと情勢が変わってきているようです。

■総裁選 最新の情勢判明

 告示から5日、各候補が独自色を打ち出し始めました。

上川外務大臣(71) 「少子化を私の内閣で止めます」

加藤元官房長官(68) 「私は日朝首脳会談、早期実現を目指します」

河野デジタル担当大臣(61) 「被選挙権も選挙権同様、18歳まで引き下げたいと思います」

自民党 茂木幹事長(68) 「学校給食の無償化も実現できると考えています」

自民党 石破元幹事長(67) 「災害に対応できない国は有事に対応できない。防災省は必ずつくります」

自民党 小林前経済安保担当大臣(49) 「私が総裁になれば、女性の支部長の登用については当然、積極的にやっていきます」

 金沢市で開かれた自民党の青年局・女性局主催の公開討論会。

 今回の総裁選は候補者乱立で1回目の投票では誰も過半数に届かず、上位2人による決選投票になる可能性が高まっていますが、その決選投票で地方の声、都道府県連票が47票と少ないことに地方から不満の声が上がりました。

自民党高知県連 丁野美香南国市議 「地方の声を拾い上げ、大事にするべきであるにもかかわらず、反映できていないのではないかと思います。候補者はどのようにお考えでしょうか」

加藤元官房長官 「まず決選投票にいかに残るかということで頭がいっぱいでありますけれども、問題なのは決選投票にいった時に我々、国会議員はその場で投票できる、地方の人はそれができないから今のようなやり方をしている。じゃあそれにつなげるものは何かないかと言ったら、私はオンライン投票だと思うんですね」

上川外務大臣 「地方の声、その1票、この尊さを考えると、この仕組みにつきましても、その声がしっかりと1つずつの選挙戦に反映できるように声をもっともっと大事にしていきたいと思います」

 加藤氏、上川氏ともに決選投票で地方票の割合を増やすことに前向きな姿勢を見せると…。

小泉元環境大臣 「総裁選はデジタル化を進めて、時間がないから国会議員だけで選ばなきゃいけないというところではなく、デジタル化で対応できるような形に変えていって同じ重みを持つ、そういった形にしていくのが望ましいのではないかなと思っています」

林官房長官 「加藤さんや小泉さんに賛成です。自民党総裁選挙の方が国政の選挙よりもデジタル化をやるハードルは低いと思います。決選投票になった場合も、皆さんの声が直接聞けるようになれば、もっともっと党員の皆さんの声が反映できる、きっかけにもなると思っています」

小林前経済安保担当大臣 「党員の意志というものをできる限り反映させていく方向でシステムを作っていくというのがベースになると思います。その意味で、手法としてデジタル化が使えるのであれば、それをやっていくべきだと私も思っています」

 決選投票をオンライン投票にすべきとの意見が続出するなか…。

高市経済安保担当大臣(63) 「全党員を対象にですね、決選投票をデジタルでやるということになりますと、これは反対です。つまりデジタルに不慣れな党員な人もいらっしゃるということ、サイバーアタック、要は結果の変更、こういった懸念がございます。ただ決選投票で、地方代表で投票して下さる人の数を増やす、これは私は賛成でございます」

茂木幹事長 「私はオンライン投票に賛成です。オンラインでやれば、もっと地方の票が、声が反映できるような状況を作れると思います。決選投票においても、私はデジタルでも工夫ができると思います。進めていきたいと思います」

石破元幹事長 「国会議員の1票は地方の党員2700人分になるんですって。つまり、あなたも総裁・総理が選べますよと言って党員をお願いしておいてですね、いざ決選になったら2700分の1。これはまずくないですか?」

河野デジタル担当大臣 「自民党の党員による決選投票、これはもう当然、オンライン投票やるべきだと思います。ただのオンライン投票ではなくてマイナンバーカードを使ったオンライン投票、これをぜひやりたいと思います」

 決選投票で地方票の割合を増やすことに各候補、基本的に一致しましたが、今回ではなく次回以降になりそうです。

 公開討論会では候補者同士による質疑応答も行われました。

河野デジタル担当大臣 「進次郎さんは、これからの日本の財政をどうすべきか?」

小泉元環境大臣 「やはり経済なくして財政なし。私が総理総裁になったあかつきには、まず物価高対策の検討を指示をします。そのうえで一定の財政は出動させます」

石破元幹事長 「女性に選ばれる地方を作るためにはどうしたらいいんだろうか…という女性にうけそうな河野さんに教えていただけるとうれしいなと」

河野デジタル担当大臣 「1つは子育てをはじめ、色んなサポートを受けられる地域。もう1つはやはり職場。この2つがうまく重なっている、そういう地域が女性に選ばれるのではないかと」

■小泉氏・石破氏に“対抗馬”急浮上

政治部 官邸キャップ 千々岩森生 「今のところ国会議員票は小泉さんが一歩リード、50人を超えています。一方で党員票は人気の小泉さん、石破さんの2人に高市さんが割って入る、党内では三つどもえの様相だと見られているんですね。もともと高市さんは保守の岩盤層が支持しています。今回、異例の9人も出馬して票がバラけてますので、その分、高市さん支持で動かない、まさに岩盤支持層を持つことで、高市さんが相対的に浮上しているという側面もありそうです」

 総裁選は27日投開票となります。