9月も半ばなのに、各地で真夏の暑さとなりました。

“残暑”の一言で片づけるには限界があります。秋の訪れを告げる祭り、熊本市の『藤崎八幡宮例大祭』。祭りの裏側をのぞいてみると、皆さんの表情がすべてを物語っていました。

参加者 「10年前とかは、もう少し涼しかった。最近はやっぱり暑い」

この暑さで、畑では試行錯誤が続いています。

東京・立川市の小山農園。例年ですと、畑一面に秋冬野菜の苗が植えられていますが、今年は、まだ何も植えられていません。

小山農園・小山三佐男代表 「白菜は35度以上になると、うまく定植できない。日差しが強いのと地温が高いので根が腐ってしまう」

ただ、この暑さだからこそできることもあります。植えられているのはトウモロコシです。去年に続き2度目の挑戦で、今年は、倍となる600本の苗を植えました。

小山農園・小山三佐男代表 「夏にも育てているが、秋にも育てられるようになった。東京の気候が。(Q.1年で2回)そうですね。既存の野菜を植えていると、農業が成り立たなくなってきた。熱に強いとか、亜熱帯性のものを植えて、熱を逆に利用するしかない。秋の方が成長が遅いので、甘味が強くなるのも新しい発見」

百貨店のなかにも、“異常な暑さ”を逆手にとった店があります。

例年であれば、数多くの秋冬物が並べられる時期ですが、残暑の厳しかった去年の失敗から学びました。

三陽商会・菅泉拓己執行役員 「今年は、9月でも半袖もの、しっかりと展開することになっています。先取りでコートとか防寒衣料、それを9月に展開をしていっても、それを買おう、着ようとならないので、そこは戦略を一気に変更していこうという考え方」

単価の高いコートを売っていた去年の同時期を上回る売り上げだといいます。日本の四季に対する考え方も変わりました。

三陽商会・菅泉拓己執行役員 「春、夏、秋、冬ではなくて、春、夏、猛暑、秋、冬と五季という季節の考え方。それに合わせて商品を展開していく」