アメリカのトランプ前大統領の妻・メラニアさんが人工妊娠中絶の権利を支持する姿勢を明らかにしました。トランプ前大統領とは異なる立場を示し、波紋が広がっています。

 メラニアさんは3日、自身の回顧録の宣伝としてX(旧ツイッター)に動画を投稿しました。

 そのなかで「個人の自由はすべての女性が生まれながらに持つ基本的な権利であり、これを守ることに妥協の余地はない」と述べ、人工妊娠中絶の権利を支持する考えを明らかにしました。

 約1カ月後に迫ったアメリカ大統領選挙で、中絶問題は主要な争点の一つです。

 トランプ前大統領が大統領候補の共和党内には中絶反対派が多くいる一方、中絶の権利を擁護する民主党のハリス副大統領は、この問題でトランプ前大統領を厳しく批判しています。

 ロイター通信によりますと、トランプ前大統領はメラニアさんに「回顧録では自身が信じることを書けばいい」と伝えたということです。

 メラニアさんはこれまで政治的な見解を公言したことはほとんどなく、トランプ前大統領と異なる立場を示したことで波紋が広がっています。

 トランプ前大統領は在任中に保守派の判事を最高裁に送り込み、中絶規制の強化につなげたことを実績として強調する一方、規制自体は各州の判断に委ねるとの考えを示しています。