宮城県が導入を目指す宿泊税について、17日のの県議会で条例案が可決されました。総務大臣の同意を得るなどした上で、2025年11月にも導入される見通しです。

 議長「委員長報告の通り決することに賛成の諸君の起立を求めます。起立多数であります。よって議第119号議案は委員長報告の通り決定いたしました」

 宿泊税は、宮城県のホテルや旅館に泊まる人に対し1泊当たり300円を課します。仙台市の宿泊者については300円のうち200円が仙台市に入り、修学旅行や部活動の宿泊は対象外です。

 県は宿泊税の導入により年間約11億円の税収を見込んでいて、訪日観光客の受け入れ環境の整備など観光の振興策に活用する考えです。県とそろって制度を導入する仙台市でも、議会で条例案が可決されていました。

 宿泊税に対しては宿泊事業者を中心に反発も根強く、最終日となった17日の県議会でも反対意見が出されました。

 日本共産党県議団金田基県議「現状で導入を強行するようなことになれば、必ず禍根を残すことになります。本条例案を通すべきではないと」

 継続審査を求める動議も出されましたが、否決されました。県は今後、総務大臣の同意を得るなどした上で、2025年11月ごろにも宿泊税の課税を始める予定です。宿泊税の導入は東北では初めてです。

 県議会の傍聴席には宿泊事業者も駆け付け、採決を見守りました。

 宮城県・宿泊税を憂慮する会藤田謹一代表「憤りがふつふつと湧いてきた。県民の皆さま方にとても申し訳なく思っています。我々阻止できなかったということが」

 作並温泉旅館組合岩松広行組合長「とにかく言語道断ということですね。まったくの拙速すぎますよね。しかも我々の了解も何もないですから。県民市民の皆さんにこれがいかにおかしい新税かということを訴えていかないといけない」

 県議会での可決を受け、村井知事は。

 村井知事「厳しいご意見もございましたけれども、結果的には賛成多数で可決をしていただき大変感謝をしているところであります。(宿泊事業者との関係が)一部ねじれてしまったのは事実でございます。これを向こうから私の方に来てくださいでは多分うまくいかないと思いますので、私の方から飛び込んでいく、県の方から飛び込んでいくことが信頼回復につながる」

 宿泊税の条例案について、県議会最大会派の自由民主党・県民会議は付帯意見を付けるよう求め可決されています。

 付帯意見は3つあり、「県民や宿泊事業者に十分な情報提供と意見聴取を行うこと」「税を徴収する宿泊事業者の負担軽減措置を講じること」「宿泊税の効果を検証すること経済情勢を勘案した上で、必要な改善措置を講じること」です。

 村井知事は「付帯意見は非常に重い。説明を尽くすことに力を置き、しっかりと努力していきたい」と話しています。