12月2日からマイナ保険証の運用が本格的にスタートします。マイナンバーカードと保険証が一体化したマイナ保険証に、高齢者施設では戸惑いの声が上がっています。

 宮城県東松島市の高齢者施設やもと赤井の里は、約40人の入所者のうち8割の人が日常生活を1人で送ることが困難な状況です。 病院には家族の代わりに施設の職員が付き添うことが多いため、健康保険証は事務所の鍵付きのロッカーで管理しています。

 マイナンバーカードと健康保険証が一体化したマイナ保険証の管理には、これまで以上に大きな責任を伴います。

 土井孝博施設長「万が一の場合、個人情報の流出につながることもあるので施設で管理していけるのかと不安を感じる。責任問題と言われると、できればマイナンバーカードを預からない方法で対応したい」

 マイナ保険証は原則、暗証番号が必要で悪用されると税や年金などの重要な個人情報にアクセスされる恐れがあります。

 全国保険医団体連合会が1219カ所の特別養護老人ホームなどに行った調査によると、入所者の保険証を預かって管理している施設は83.6%ですが、マイナ保険証の管理が必要になった場合「管理できない」と回答した施設は94%に上りました。

 やもと赤井の里では当面の間、保険証と同様に保険診療を受けられる資格確認書を発行してもらうことで対応する方針です。

 土井孝博施設長「当面は配慮が必要な方は手続きをすれば資格確認書が交付されると聞いていますが、その後もマイナ保険証に一括で利用いただくことになった場合は安全管理上の不安はある」