災害に備える防災バッグの中に下着を入れるよう呼び掛ける展示販売会が、仙台市青葉区で開催されています。

 エスパル仙台で始まった下着のポップアップストアの一角には。

 井口亜美アナウンサー「災害時に役立つ下着、防災下着のコーナーがあります。備蓄品の盲点となりがちな下着ですが、いざという時に必ず必要になるため備えておいてほしいと設けられています」

 女性向けの下着の開発や販売を手掛けるHEAVENJapanでは、熊本市の大雨や能登半島地震などの被災地に向けて約2000枚の下着を送る支援を行ってきました。

 2年ほど前、会社の女性スタッフが地震に遭った際に着の身着のままの避難に不安を覚えたことから、企業として防災を考えるようになったということです。

 展示販売会では、防災の備蓄用におすすめのメッシュ素材とコットン素材の2種類が販売されています。

 井口亜美アナウンサー「すごい軽いし薄いですね。メッシュ素材なので通気性もいいですし、装着のストレスがなさそうですよね」 HEAVENJapan広報担当梅井佑希子さん「ワイヤーが入っているブラジャーだと、どうしても体を締め付けてしまいリンパの流れが悪くなってしまう。ワイヤーの入っていない物だと日中も寝ている間も安心して着け続けられる」

 色合いも黒やグレー、デザインも極力シンプルな物を意識し、避難所で干す際にも恥ずかしさを軽減できるよう考慮しています。洗濯機が無い避難所などでも使用できる器具の紹介もされています。生野菜の水気を切るサラダスピナーでも代用可能です。

 HEAVENJapan広報担当梅井佑希子「下着は誰かに借りられる物でもないので、ご自身で備えておいていただくことで心の安心にもつながると思うので、是非ご検討いただきたい」

 展示販売会を企画した会社が2024年、女性を対象に行ったアンケートでは「防災バッグを常備し、その中に下着を入れている人」は16.3%でした。

 内閣府が2022年に全国の自治体を対象に実施した調査では「女性用の下着を備蓄している」と答えたのは11.9%、妊産婦用ではわずか0.3%でした。

 アベナオミさん「下着ってすごく体に密着している物なので汚れやすいですし、でも清潔にしていなきゃいけないもの」

 東日本大震災での被災経験をブログや講演会などで発信している仙台市在住のイラストレーター、アベナオミさんです。

 アベナオミさん「下着が汚れて気持ちが悪いっていうのって、被災してからちょっと時間が掛かるんですよね。時系列で言うと必要性が低くなってしまうので後回し後回しになってしまう。震災後の生活が始まってすぐ月経がきてしまったのでまず汚せないっていうすごくプレッシャーでした。絶対に汚せない。洗濯機も使えなかったので手洗いしなくちゃいけない。手洗いってすごく水が必要なんですよ。それぞれのお気に入り、あとは使いやすさを考えて備えることが大事だと思います」