不正に契約されたSIMカードを有償で譲り受けたとして、20代の男3人が逮捕されました。「スマホの転売を手伝えば、数万円の報酬を払う」といった甘い誘いがSNS上で横行しています。スマホの転売が無くならない実態を関係者が語りました。
逮捕された東京都の徳田紘澄容疑者(24)ら3人は、仙台市太白区の携帯電話販売店の駐車場で18歳の男性2人が不正に契約したSIMカード計38枚を有償で譲り受けた携帯電話不正利用防止法違反の疑いが持たれています。
捜査関係者によりますと、徳田容疑者らはSNSや口コミなどで人を集めてSIMカードを不正に契約させ、対価として数万円を払っていたということです。
2024年春ごろに「闇バイトに加担したかもしれない」などと男性らから警察に相談が寄せられ、事件が発覚しました。
警察は、捜査に支障があるとして3人の認否を明らかにしていません。
3人は、闇バイトを使って犯罪を繰り返す匿名・流動型犯罪グループ、トクリュウのメンバーとみられていて警察はSIMカードが犯罪に使われた可能性も視野に捜査を進めています。
「MNP乗り換え3、4万円」「SIMカード5枚で8500円」
SNSでは「SIMカードやスマートフォンを購入し転売すればもうかる」という誘いが横行しています。
販売店員「私が見掛けた人だと2人から3人ぐらいですかね。若い人が多いなと思います」
こう語る携帯大手の販売店に務める現役の店員は、転売目的で来店する若者が増えていると言います。
販売店員「本人名義、本人契約だと制限があるから家族という体で。それだと厳しいとなると、じゃあ妹でみたいにあからさまに変わってくる人は、使う人が変わるわけないので怪しいというか」
販売店では身分証などで本人確認はするものの、一定の審査を通れば販売が可能になります。
販売店員「規定上断れない。怪しいなと思ってもそうじゃない可能性もあるのでもちろん」
更に転売グループの指示役は、販売店の内情を知っている可能性もあると言います。
販売店員「状況が二転三転しても契約できるように準備している。基準を知っているだろうなということがあって、元々働いていた人なのかなと」
khbは、スマホ転売に関する投稿をしていたグループの1人に接触できました。明らかになったのは、販売店と転売客をつなぐ手配師の存在です。
手配師の男「僕、手配師ですよ。案件を紹介してお店とつなげて手配料を1回線いくらかもらっています。人材派遣みたいなものです。どこだったら条件がいいので担当の〇〇さんと契約してください、という仲介ですね」
手配師の男によると、販売店は新規契約や乗り換え契約の数に応じて販売奨励金が支給されます。
販売店の中には、ノルマ達成のため手配師に依頼するケースもみられると言います。
手配師の男「僕は今週35回線も予約入っているので、それを1回線4000円で売るだけなんで14万円くらいか。月20万から30万稼げるんじゃないですか。全然犯罪とかないです。リスクは特にないと思います。初期投資もゼロなんで」
捜査関係者によるとアルバイト感覚で応じて犯罪に手を染める若者も多いということで、高額報酬をうたった怪しげなバイトには安易に飛びつかないでほしいと話しています。