韓国の非常戒厳を巡り、「内乱」の疑いで捜査が進んでいる尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対して捜査当局が拘束令状を再執行し、大統領公邸への進入を開始しました。

 韓国メディアによりますと、合同捜査本部側は公邸周辺におよそ3200人の機動隊を配置し、集まった支持者らの強制解散に踏み切っています。

 また、公邸の入口付近では、大統領の警護庁側がバスを横付けして妨害していましたが、捜査当局側が梯子を使って乗り越え、公邸敷地内に進入しました。

 大統領の拘束に向けては1000人以上の捜査員が投入される見通しです。

 大統領の弁護団は「不法な令状執行は公務執行に当たらず、厳重に法的責任を問う」と強く反発しています。

 また、大統領の警護庁側も拘束を阻止する構えを崩していません。

 このため、物理的な衝突も懸念され執行がスムーズに進むかどうかは不透明な状況です。

 捜査員らには洗面道具や着替えを準備するよう指示が出ていて、捜査当局側は、日をまたぐことも視野に入れ時間をかけて大統領の拘束に踏み切る構えです。

 大統領の権限代行を務める崔(チェ)氏は、「物理的な衝突は国民の信頼と国際社会の評価に取り返しのつかない被害をもたらし、容認できない」との談話を発表しています。

 尹大統領の拘束を巡っては、今月3日に合同捜査本部が公邸敷地内に進入し令状の執行を試みましたが警護庁側の激しい抵抗により失敗していました。