尹(ユン)大統領を拘束したことで、今後の展開はどうなっていくのでしょうか。ソウルから最新情報です。
(山本志門記者報告) 尹大統領は、拘束直前に国民に対するビデオメッセージを出し「この国では法がすべて崩壊した」と捜査当局側を批判しました。
尹大統領はメッセージで、「流血事態を防ぐためにも違法捜査ではあるが取り調べに応じることにした」と説明しました。
そのうえで、「捜査を認めることではない」と重ねて強調しています。
15日午前5時半から始まった拘束令状の執行ですが捜査当局の説明によりますと、「今月3日に失敗した1度目の執行と異なり、今回は積極的に妨害する警護庁の職員はいなかったと。物理的衝突はなかった」と明らかにしました。
当初、相当時間がかかると思われていましたが、警護庁を中心とする警護チームが体を張る形で抵抗しなかったことが大統領の拘束につながった形です。
大統領は、すでにソウル郊外にある高官犯罪捜査庁に到着していて、今後、録画されながら捜査当局の取り調べを受けることになります。
そのうえで、拘束期限は48時間以内ですので、取り調べ後、速やかに逮捕手続きに踏み切るものとみられます。
一方、尹大統領側は、同時に進んでいる弾劾(だんがい)訴追の妥当性を審議する憲法裁判所の場で自らの潔白を訴えていく考えです。
憲政史上初めての現職大統領の拘束という異例の状況で韓国政治の混乱はさらに深まっていくことになります。