全国で猛威を振るうインフルエンザの感染拡大で、薬局も厳しい対応を迫られています。
鈴木奏斗アナウンサー「宮城県でもインフルエンザの感染が広がっていますが、こうした状況の中、深刻なのが薬不足です」
マリーン調剤薬局一番町店佐藤貴弘さん「せき止めの薬は使用量に対して入荷が少ない状況になっていまして、ほとんど入荷がない」
せき止めやたんを出しやすくする薬などの入荷量が減っていて、薬によっては必要な数よりも2割から5割ほど少ない状況が続いています。
インフルエンザの治療薬は急激な感染拡大を受け、タミフルのジェネリック医薬品が一時供給を停止していて、品薄に拍車を掛けています。
マリーン調剤薬局一番町店佐藤貴弘さん「タミフルのジェネリック医薬品は、年明けからは入荷していない状況です。今はまだ流通が滞っていないインフルエンザの薬もありますけれども、こういった状況が続くと他の薬まで流通が滞ってくる可能性を心配しておりまして」
こちらの薬局では通常30人分ほどのタミフルのジェネリック薬を確保していますが、16日時点で10人分しか残っていませんでした。
マリーン調剤薬局一番町店佐藤貴弘さん「日々流通状況を確認したり、あるいは処方元の先生へ他の薬の変更を提案したりという形で、何とか患者様に薬をお渡しできるように努力をしているところでございます」
インフルエンザの患者が急増する中、薬不足が深刻化しています。
東北医科薬科大学藤村茂教授「12月に注意報が出てから警報までの期間が短かったですよね。患者数が全国的に増えたということもあって、多くの医療機関が抗インフルエンザ薬を発注かけるわけです。これによって一気に無くなってしまったということがまず1つ考えられます。今回のようなインフルエンザ薬の薬不足というのは経験は無いです」
インフルエンザウイルスは型があり、例年1月中旬から2月末にかけてA型が感染のピークを迎え、その後B型が4月上旬にかけて流行します。
藤村教授は、例年よりも感染拡大の時期が早かったものの感染の早期終息につながる可能性は低いとみていて、感染者が今後も増加する可能性を指摘します。長期化が懸念されますが、薬の供給が落ち着いてくるのはいつごろになるのでしょうか。
東北医科薬科大学藤村茂教授「ジェネリック医薬品は計画的に作っている関係もあって、急遽患者が増えているから抗インフルエンザ薬を増産しましょうという訳にはいかないんですよね。インフルエンザが蔓延している時期はジェネリック医薬品は増えてこないので、今ある先発医薬品でうまく乗り切っていく形になります。インフルエンザがおそらくあと1カ月半ぐらいである程度終息してくると思いますので、その間は十分乗り切れるだろうと思っています」