中国の去年のGDP(国内総生産)成長率は、政府の目標を達成する5.0%でした。ただ、景気低迷を指摘する声は根強く、職探しをする人は苦しい現状を訴えます。

 中国の工業都市、江蘇省昆山市。電子製品の工場が集まるこの町でも、職を探す人たちは景気の冷え込みを実感しているようです。

職探しをしている人 「昔は給料が高かったのですが、今年は景気が悪くて給料があまり高くないんです。学歴が高くないのでいい仕事が見つからず、毎日、日雇いの仕事ばかりしています」 「稼ぐのはわずかなお金で、食べるのにも普通の消費にも足りない」

 地方から出稼ぎに来た人も多く、仲介業者の前には荷物のスーツケースが集められています。

 月末には旧暦の正月にあたる「春節」が始まり、故郷に帰る人も増えるのですが…。

職探しをしている人 「今年はお金を稼げていない。どうやって(故郷に)持ち帰れるんですか」 「『お金があってもなくても帰省する』のは昔の話。今は『お金がなければどこにも行けない』。私も帰るべきか悩んでいます」

 中国では景気低迷のなか、若者の失業率が16.1%に上っています。

 長引く不動産不況や消費の落ち込みなどが背景にあるとされています。