救出活動が難航し、復旧までの見通しがなかなか立たないというなか、周辺の飲食店では客足に影響が出るなど不安が広がっています。

■見通せぬ復旧 住民の“不安”

現場近くの飲食店 シャー ウジャハットアリさん 「陥没した場所から近い。電話で『そっち危ないんでしょ』と。風評被害ではないが」

 戸惑いの声が上がるのは埼玉県八潮市の道路の陥没現場から500メートルほど離れた飲食店です。

現場近くの飲食店 シャー ウジャハットアリさん 「洗い物や店舗のトイレをなるべく控えてと呼び掛けている」

 下水道の使用制限は12の市と町に及び、約120万人に影響が出ています。店は普段、皿で料理を提供していますが、現在は洗い物を減らすため紙皿に。しかし、遠くから来る客が減り、売り上げが落ちているといいます。

現場近くの飲食店 シャー ウジャハットアリさん 「1から2割、売り上げが下がってる感じ」

 穴がさらに広がる恐れもあり、近くの5軒の住宅に避難を求めました。復旧までどれくらいかかるのでしょうか。県の目標は1週間。しかし、専門家からは懸念が…。

 八潮市の道路が陥没してから7日目。復旧までどれくらいかかるのでしょうか。

 2016年に博多駅前でも大規模な陥没事故がありました。直径30メートル、深さ15メートルの穴が開き、水道管やガス管、通信ケーブルなどが破損。今回の八潮市の陥没も直径40メートル、深さ15メートルと、ほぼ同じ規模です。福岡では1週間で復旧作業が終わりましたが、八潮市はどうなるのでしょうか。

福岡大学工学部 佐藤研一教授 「工法が決まって(下水道管の)穴をうまくかぶせられれば福岡は1週間で復旧。(八潮も)それくらいのスピードで…」

 埼玉県は救出活動が終わり次第、応急的な復旧作業を進めるとしています。その手順はまず、損傷した下水道管の穴に固い水飴のような素材でふたをします。さらに、水を通さないジェル状の材料を使って補修し、最後に砂や土を入れて埋め戻す予定です。

埼玉県 大野元裕知事 「応急補修に入ってからその通り動けば約1週間で、お願いしている下水等の使用の自粛を取りやめることができる」

 しかし、専門家は懸念も示します。

福岡大学工学部 佐藤研一教授 「がれきを撤去して(下水道管の)穴の状況が確認できたら、また方針も変わると思う。(下水道管に)どれだけ穴が開いているかによって工法も変わってくる」