おととし、和歌山市で、岸田前総理の演説会場に爆発物を投げ込んだとして、殺人未遂などの罪に問われている木村隆二被告(25)の裁判員裁判が始まり、被告は殺意を否認しました。

 (西田麻衣記者報告)  木村隆二被告は、初公判に、黒いジャケットと眼鏡姿で現れ、起訴内容について問われると、しばらく沈黙した後、小さな声で「間違っているところもあります」と答えました。

 起訴状などによりますと、木村被告は、おととし4月、和歌山市の漁港で、選挙の応援に訪れていた岸田前総理の近くに手製の爆発物を投げ込んで、2人にけがをさせ街頭演説を妨害したなどとして殺人未遂や公職選挙法違反など5つの罪に問われています。

 4日の初公判で、木村被告は「殺意はありません」「選挙をやっていることを知りませんでした」などと述べ、起訴内容を一部否認しました。

 一方、検察側は冒頭陳述で「人が死んでも構わないと思って爆発物を投げた」と指摘しました。また、弁護側は「世間の注目を集める目的だった」と主張しました。

 木村被告は捜査段階で黙秘を続けていて、動機の解明がどう進むのかが焦点の一つとなります。