去年12月に新規発行が停止となった従来の健康保険証を復活させる法案を立憲民主党が提出しました。しかし、一部から医療DXの流れに逆行する法案だと批判の声も上がっています。

 先週、立憲民主党が衆議院に提出したのは「保険証復活法案」。その名の通り、先月に新規発行が停止された従来の健康保険証、いわゆる“紙の保険証”を復活させようという法案で今後、一本化されるマイナ保険証との併用を目指して提出されました。

立憲民主党 重徳和彦政調会長 「紙の保険証を推進するべきだって言っているわけでも何でもないんですよね。今、最後の1人までついてこられない状況になっている以上は、選択肢は残して、少しでも高齢者の皆様方に寄り添ったマイナ保険証制度に近付いていく」

 ただ、この法案に政府は…。

平将明デジタル大臣 「申請なしで資格確認書も発行されるということもあり、政府としては比較的、順調に進捗していると、大きな方針の転換は必要ないと認識しています」

 実は、立憲民主党は去年11月にも従来の保険証の「廃止を延期する法案」を国会に提出。ただ、野党の賛同が得られず審議入りすることはありませんでした。

 にもかかわらず、なぜ再び「保険証復活法案」を提出したのか…。

 というのも、去年12月時点でのマイナ保険証の利用率はいまだ25%。また、ANN世論調査でもマイナ保険証の1本化に不安を感じる人が57%に上っています。

 さらに、医療現場からも不満が噴出。

 去年4月にはマイナ保険証に対応する機器の導入義務などを巡り、医師と歯科医師ら約1400人が「義務は違法であり、無効」だとし、国を相手取り裁判を起こす事態となりました。

 その後、この請求は棄却されましたが、廃業する医師も出るのではなど依然、不安の声も。

 こうした背景もあり、立憲の法案には賛否が上がっています。

X(旧ツイッター)から(賛成) 「立憲の法案に賛成。併用できるようにすればいい」 「マイナ保険証はやはり時期尚早だと思います」

Xから(反対) 「折角のDXを進めるチャンスに水差すな」 「紙を残すことでいつまでも移行できない」