三陸沖の海水温が平年よりも約6℃高く、平年との差が世界で最も大きくなっていることが東北大学などの研究グループの解析で分かりました。
東北大学杉本周作准教授「6℃上がった状態が1年半以上続いているのは、他の海では観察されたことが無い異常な状態になります」
東北大学杉本周作准教授らのグループは、1982年からのデータなどを解析し三陸沖では直近の約2年で、海面水温が平年より6℃ほど高い状態が続いていることを明らかにしました。平年との水温差は、世界で最も大きい水準ということです。
東北大学杉本周作准教授「本来、千葉県銚子沖を東に流れ去る海流の黒潮続流が2023年春から異常に北進状態にあり、宮城県、岩手県を越えて青森県に至るくらいまで北進している。例年より400キロから500キロも北に位置していることが大きな要因」
杉本准教授らは、この水温の異常は深さ700メートルの海中にまで影響しているとみています。
東北大学杉本周作准教授「水温が1℃上がるだけで多くの魚が生育場所を変えると言われていますので、6℃上がり続けていることは多くの魚にとって生育を変えてしまう影響は大きいと考えています」
海水温の上昇は高さ約2000メートルまでの大気にも影響し、東北地方で夏に吹き時に冷害をもたらす季節風のやませも変化する可能性があると指摘します。
東北大学杉本周作准教授「やませの通り道の下の水温が上がってしまうと、冷たい空気を暖めてしまうということで、これからはもしかしたら猛暑をもたらす原因にもなりうると考えています」
杉本准教授らのグループは研究結果を更に分析するため、6月に三陸沖を調査する予定です。