東日本大震災からまもなく14年となります。当時、避難などの指揮に当たった宮城県の気仙沼警察署の元署長が殉職した部下について語りました。
佐藤宏樹さん「命よりも大切なものはありません。警察官と言えども殉職者を出してはならないということが最も重要で悲しい第一の教訓でした」
15日に宮城県気仙沼市で開催された講演会では、震災当時気仙沼警察署の署長だった佐藤宏樹さんが住民など約100人を前に地震発生直後の緊迫した状況を語りました。
佐藤宏樹さん「その頃、警察無線は大津波警報発令、大津波警報発令と絶叫。高さも6メートルから10メートル、15メートルとうなぎ上りに高くなり、到達予想時刻も切迫していると伝えていました」
気仙沼警察署の警察官が住民の避難誘導に当たりましたが、駐在所に勤務していた2人の警察官が津波に巻き込まれ殉職してしまいました。
多くの市民が犠牲となった事に対する悲痛な胸の内を明かしました。
佐藤宏樹さん「当時の警察署の最高責任者として、なぜもっと多くの市民の皆さんを救うことができなかったのか。限られた警察力であっても、1人でも多くの方々を救う手立ては無かったのか、この事はいまだに本職の胸を揺さぶり続けています」
講演会には気仙沼警察署の若い警察官も参加しました。
「警察官も1人の人間ですので、自分自身の命を守るということも大切だと感じました」「当時の震災を覚えていない警察官が多くいるので、先輩方の言葉を後輩たちに伝えるとともにしっかり教訓にしていかなければならないと思いました」