岸田前総理の演説会場に爆発物を投げ込んだとして、殺人未遂などの罪に問われた男に、懲役10年の判決が言い渡されました。

 (西田麻衣記者報告)  木村隆二被告(25)は判決が言い渡された瞬間も前を向いたままで、大きな動揺は見られませんでした。

 木村被告はおととし、和歌山市で選挙遊説中の岸田前総理の近くに手製の爆発物を投げ込んだなどとして、殺人未遂や爆発物取締罰則違反など5つの罪に問われました。

 これまでの裁判で、弁護側は被告に人を害する目的や殺意はなく、殺人未遂は成立しないなどとして、懲役3年が妥当だと主張。一方、検察側は「多数の人を巻き込んだ悪質なテロ行為」と述べ、懲役15年を求刑していました。

 和歌山地裁は今月19日の判決で、多数の人がいる場所に金属片が飛べば、人を死亡させる可能性が高いことは常識的に認識していたはずと殺意を認定しました。

 そのうえで、「現職総理を狙った犯行で社会全体に与えた不安感は大きい」「強い非難に値する」などとして、懲役10年を言い渡しました。