韓国発祥の格闘技テコンドーで、現在世界ランキング1位の女性が仙台市にいます。2028年のロスオリンピックで金メダルという目標に向かい努力を続けています。

 3歳から50代まで幅広い年代が通う仙台市太白区の相原道場で、毎日休まず練習に励む仙台市宮城野区出身、東北福祉大学2年の岡崎陽向さん(20)です。

 岡崎さんは、2024年11月にカタールで開催された世界大会の女子キョルギ(組手)の最軽量46キロに出場し優勝し、世界テコンドー連盟の階級別世界ランキングで初めて1位になりました。2024年のパリオリンピックに出場できなかったことが大きな原動力になりました。

 岡崎陽向さん「パリオリンピックの選考会で負けてしまって悔しい思いをした中で、それでも自分はそこ(1位)に立てるべき人間だと思いながら試合に臨んでいたので、そこが目標というか通過点」

 岡崎さんとテコンドーの出会いは4歳の頃です。親戚が指導する相原道場に、2歳年上の兄が通っていました。

 岡崎陽向さん「中学生くらいのお姉さんたちがすごく一生懸命練習しているのを見て、すごくかっこいいなって。私もこういうかっこいい女の人になりたいと思って」

 ほどなくして相原道場の門を叩いた岡崎さんは、小学校4年からはオリンピックで金メダルを取ることを目指し道場での下宿生活を始めます。

 テコンドー漬けの日々でめきめきと力を付けて小中学校の9年間で8回、全日本選手権優勝を飾りました。国際大会でも何度も優勝するなど、テコンドー界の期待の星です。

 オリンピック出場のためには、国際大会で実績を重ねることが不可欠です。現在は、年に8回ほど海外へ遠征し大会に出場します。

 岡崎陽向さん「(大学から)帰って来たら練習に行って、帰って来たらすぐご飯食べてお風呂入って日記書いて柔軟して寝る感じなので、1人部屋というよりかは寝る部屋みたいな」

 相原道場相原儀雅コーチ「元々小さい頃から負けん気が強くて、あとは努力。小学校4年生で下宿は普通にできる覚悟ではないので。努力させられた部分がありつつも、そこで努力し続けられるというのが才能と言いますか」

 テコンドーは足のボクシングとも言われ、華麗でダイナミックな蹴り技が魅力です。2000年のシドニーオリンピックから正式競技になりました。

 試合は2分3ラウンド制で、蹴りの得点がほとんどです。頭部、胴体の順で得点が高く回転が加わるとより高得点となります。

 岡崎さんの持ち味は多彩な蹴り技です。海外の選手よりも体が小さい分、磨いてきました。

 連続で仕掛けることで、試合展開を優位に進めるられるよう心掛けています。

 岡崎さんは自分の練習だけではなく子どもたちにテコンドーを教えていて、憧れの存在です。

 児童「蹴りとかすごくきれいなので私もそうなりたいなと思う」「自分にできない蹴りとかをいつも教えてくれるのですごいなって思います。身近に世界一の人がいてうれしいなって思います」

 世界ランク1位に輝いた岡崎さんが次に目指すのは、2028年のロサンゼルスオリンピックでの金メダルです。オリンピック出場へ大会で実績を重ねます。

 岡崎陽向さん「7月のユニバーシアード、そして10月の世界選手権に向けてしっかりと体づくりをしてメダルを取って、一番目標にしている2028年のロサンゼルスオリンピックで優勝に向けて頑張っていきたい」