人々で賑わう3連休初日を直撃した、今季最長寒波。日本海側の広い範囲で大雪となっています。そして雪は、東京や横浜、京都の市街地でも。(2月22日OAサタデーステーション)

■3連休初日“最長寒波”ピークに

報告・仁科健吾アナウンサー(新潟・上越市 22日午後7時頃) 「細かくパラパラとした雪が降り続いていまして気温もグッと冷え込んできました。そんな中でもイベントを楽しまれています」

新潟県上越市では、キャンドルのイベント「灯の回廊」が行われていました。住民が一つ一つ手作りで灯したそうですが、吹き付ける雪で消えないか心配な状況です。この地区の22日の最深積雪は、253センチ。平年の2倍以上となりました。横浜市や都内でも冷え込みが強まりお昼頃から雪が降り始めました。

強烈寒波のピークを迎えた22日、広い範囲で強い雪が降りました。積雪量が平年を上回る地域も多く、230センチの雪が積もった野沢温泉では…

報告・仁科健吾アナウンサー(長野・野沢温泉村 22日午後0時半過ぎ) 「車がすっぽりと雪で隠れてしまっていますね」

お昼頃から再び強い雪が降り始めました。雪おろしを終えてない屋根にさらに積み上がります。落ちたら危険なつららの塊。木々は今にも折れそうな状態です。スキー場近くには、意外な所に撮影スポットがありました。

報告・仁科健吾アナウンサー(長野・野沢温泉スキー場 22日午前8時半頃) 「ゲレンデの途中に人だかりができていまして、道路の標識が設置されています。かなり低い位置ですね」

手が届く道路標識。次々とスキー客が写真撮影していきます。実はここ、県道だと言いますが、冬の間は積雪が増えることから閉鎖されます。

スキー客 「(雪の量は)全然比べものにならない。去年なんかこの時期でも雪少なくて。こんな感じじゃなかった。まず手が届くなんてありえなかった」

けさ、大雪警報が発表されていた北陸地方。富山県では、事故が相次ぎました。JAF富山支部には、朝から多数の出動の依頼が。

報告・小山颯ディレクター 「このあたり道がかなりデコボコになっていますね」

デコボコ道を進むと、縁石を乗り越えた車がありました。

JAFを依頼した人 「雪で道がわからないようになって…乗り上げたときは、すごい降っていたわ」

事故当時のドライブレコーダーには吹雪で前が見づらい状況が映っていました。そして、ハンドルを左にきった直後…左に一瞬、傾き、動けない状態になってしまいました。

JAF富山支部 川崎智之主任 「ジャッキで車を持ち上げて、下に接触している部分を回避してから引っ張ろうと思っています」

無事に救出することができました。

JAF富山支部 川崎智之主任 「雪としては小一時間で一気に積もった感じですので、運転する際にどうしても境目とかが見えにくい状況。次の現場も同じく乗り上げている」

22日の午後6時までにJAF富山支部には117件の出動要請があり、通常の2倍以上だったと言います。

■能登に「顕著な大雪」 「顕著な大雪に関する気象情報」が発表された、石川県輪島市。午前7時までの6時間に、27cmの降雪を観測。統計史上最大の記録と並びました。復興の足かせとなった大雪。

除雪をする人 「いきなり50cm程こんもりと(積もった)。大変です」

■3連休の空の便 遅延・欠航の可能性続く

強い雪雲は、日本海側だけでなく太平洋側にも流れ込みました。三連休の初日ですが、空の便にも影響が。

報告・手塚慶二朗ディレクター(羽田空港 正午すぎ) 「雪の影響で複数の飛行機に遅れがでてているようです」

22日羽田空港発着便の一部で遅延が起きましたが、23日以降も引き続き、東北・北陸地方を中心に遅延や欠航の可能性があると言います

名古屋市でも雪が降りました。最高気温は、7.2℃と平年よりも4℃以上低く寒い1日に。兵庫県豊岡市では平年の3倍、34cmの雪が積もりました。気になるのは、近畿地方や山陰地方でも強い雪が降っていることです。

野口琢矢気象予報士 「広く雪となっている中でも特に雪雲が集中して強まるラインがあるんですが、これがJPCZと言われるもので、今日はこのJPCZが山陰から北陸にかけて広くかかりました。そのため今日は鳥取や石川県の輪島などで雪が強まったんです」

■鳥取でも今季一番の積雪 鳥取砂丘では景色一変

報告・富樫知之ディレクター(鳥取市 22日) 「今鳥取砂丘に向かう道中なんですけども雪が強くなって風も吹いてきました ホワイトアウトのような状態になってしまっています」

人気観光スポット「鳥取砂丘」夏の時期に見える景色から一変して銀世界が広がっていました。鳥取市では、今季一番の33cmの積雪となっています。これは平年のおよそ6倍です。

観光客 「全然砂丘って感じしないと思うんですよね、すごい景色ですね」

■“慣れない大雪”に翻弄される住民 除雪スコップなど買い求める人も…

“慣れない大雪”に雪かきをする住民は一苦労です。

鳥取市民 「めったにない、数年ぶりですね日中除雪するのは…」

鳥取市では、23日にかけてさらに雪の量が増える恐れがあり、市内のホームセンターでは、除雪用のスコップやストーブ用の灯油などを買い求める人がいました。

灯油を買いに来た女性 「22日、23日が(雪の)ピークということなので21日のうちに(灯油を)買っておこうと思って慌てて来ました」

例年、この時期になると除雪用品ではなく春の植物や農業用の資材を販売するそうですが…

ジュンテンドー駅南店 大石隆志店長 「今回は雪がこんな状態なので除雪用品を並べています。こんなに降るとは思っていなかったです」

■“孫に会いたい”3日かけて「かまくら」や「雪の滑り台」製作

“異例の大雪”に翻弄される人がいました。鳥取県東部にある八頭町に住む森田さん。23日鳥取市内に住む1歳9カ月になる孫が来る予定で大好物のイチゴを使った大福を買いに来ていました。

孫と会うのを楽しみにしている森田俊之さん(57) 「可愛いんです、目に入れても痛くないくらい…(呼び名は)ジイジですね…」

家の中には、孫の写真が至る所に貼られていました。そして、庭には…

孫と会うのを楽しみにしている森田俊之さん(57) 「かまくら、こっちは滑り台」

孫のために3日かけて作った雪の滑り台とかまくらがありました。ただ、23日の雪の状況によっては会えなくなる可能性を危惧しています。

孫と会うのを楽しみにしている森田俊之さん(57) 「明日も今から運行停止みたいな感じの放送が結構流れるますね。列車が止まるとあす来れなくなるので」

■世界遺産「白川郷」観光客に大雪の影響も…

観光地にとっては、かき入れ時の3連休。岐阜県にある世界遺産「白川郷」最深積雪は270cmと平年の2倍以上です。大雪の影響をもろに受けているのが「観光客」です。気温マイナス2.6℃の厳しい寒さの中、飲食店の外にはこの行列。

報告・中村恵ディレクター(白川郷 22日) 「展望台に向かうシャトルバス乗り場には多くの人が並んでいます」

展望台に向かうバスにも長蛇の列が出来ていました。

東京からの観光客 「来たとき、もう20~30分並んでいる感じで駐車場も1ついっぱい(満車)で…」

その一方で、普段あまり見ない雪に大はしゃぎする外国人観光客の姿も…先ほど展望台に向かった東京からの観光客。展望台で撮った写真を見せてもらいました。

東京からの観光客 「よく見えない。ギリギリ明るいタイミングで撮ってやっとこれくらい…(お昼は)レストランが行列だったので白川郷周辺は諦めた方がいいかもしれないと思っています」

異例の寒波は、各地で予想外な影響をもたらしていました。

野口琢矢気象予報士 「この先一旦暖かくはなるんですがその後再び冷えてくる可能性はあります。ただ季節が進むとともにだんだんと寒波は降りてきづらくなりますのでこれまでのような強い寒波というのは見づらくなってくると思います」