アメリカとウクライナの首脳会談が行われ、カメラを前に前代未聞の激しい口論になりました。

■トランプ氏vsゼレンスキー氏 互いに譲らず

 ホワイトハウスの玄関先でゼレンスキー大統領を出迎えるトランプ大統領。この日はウクライナの鉱物資源の共同開発に関する協定が結ばれる予定でした。

 にこやかな雰囲気で始まった首脳会談。しかし、この後、目を疑うような前代未聞の事態を迎えます。発端はバンス副大統領のこの発言です。

アメリカ バンス副大統領 「この4年間、アメリカにはプーチン氏を非難する大統領がいた。しかし、プーチン氏はウクライナを侵略し、国の大部分を破壊した。平和や繁栄への道は、外交にあるのかもしれない」

ウクライナ ゼレンスキー大統領 「プーチン氏は停戦合意を破棄し、私たちの国民を殺した。捕虜も交換しなかった。私たちは捕虜交換に署名したが、プーチン氏は署名しなかった。どんな外交について言っているのか」

バンス副大統領 「あなたの国の破壊を終わらせる外交だ。大統領執務室に来て、アメリカメディアの前でその態度は失礼だと思わないか」

 口論にトランプ大統領も加わります。

ゼレンスキー大統領 「この戦争の初めから…」 アメリカ トランプ大統領 「今、君の立場は悪い。カードを持っていない。今はカード取引の時間だ」 ゼレンスキー大統領 「カード遊びなどしていない。私は戦時下の大統領だ」 トランプ大統領 「何百万人もの命を危険にさらしている。第3次世界大戦を賭けてギャンブルをしている。君がやっていることは我が国に対して非常に失礼だ」

 ついには、侵攻を受けている国の指導者に言ってはいけない言葉まで…。

トランプ大統領 「おたくの国は相当まずい状況にある」 ゼレンスキー大統領 「分かっている」 トランプ大統領 「君たちは勝てない。私たちの力が必要だ」 ゼレンスキー大統領 「大統領、我が国民は強い。戦争が始まった時から私たちは孤立していた」 トランプ大統領 「孤立などしていない。アメリカの武器供与がなければこの戦争は2週間で終わっていた」

 会談を見守っていた駐米ウクライナ大使の心境は計り知れません。CNNのキャスターも絶句です。

CNN アマンプール国際主任 「このようなことを目にしたことは現代外交史において、たった一度もない」

 結局、予定されていた鉱物協定の署名式や共同記者会見は開かれず、世界が注目した両国の首脳会談は決裂しました。

 その後、ゼレンスキー大統領はFOXニュースに出演。

ゼレンスキー大統領 「(Q.きょう起きたことを後悔しているか?)はい、良くなかったと思います」 「(Q.謝罪する考えは?)ない。私は大統領とアメリカ国民に敬意を持ってる。だから隠し事なく正直でないといけないと思う。私たちが何か悪いことをしたとは思わない」

 ワシントン・ポストによると、アメリカ政府は会談後、ウクライナへの支援を中止することを検討しているということです。