新型コロナウイルスの感染者が宮城県で初めて確認されてから2月28日で5年です。私たちの生活様式は、新型コロナをきっかけに大きく変わりました。

 スーパーやコンビニのレジ待ちで、間隔を空けて列に並ぶことが定着したほかセルフレジの設置も進み、2024年の設置率は37.9%とコロナ前の2017年の12.3%から大幅に増えました。

 長引く自粛生活で巣ごもり需要が高まり、ネット通販の利用も急増しました。

 飲食店などの食事を届けるフードデリバリーも定着しました。大手のウーバーイーツが仙台市で配達を開始したのが、2020年4月でした。

 更にコロナ禍で人々の移動が制限されたことで、観光も大きな打撃を受けました。

 宮城県の観光による経済波及効果は、コロナ前の2019年がピークで6383億円ですが、2020年には約2400億円まで減少し、その後徐々に回復しているものの2019年の水準には届いていません。

 もしコロナ禍がなく2019年並みの経済効果が5年間続いていたと仮定した場合、経済損失はどの程度なのか、七十七銀行リサーチ&コンサルティングの田口康友さんに伺ったところその額は1兆円を超えるということです。

 1兆円は、宮城県の百貨店やスーパー、コンビニなどの2024年1年間の販売額の合計に匹敵します。

 東京オリンピックの被災地開催や海外との直行便の増加も見込まれていたことから、インバウンドについても追い風になっていた可能性もあるということです。

 田口さんは、人手不足などが新たな問題となり経済の回復がとどまっていると分析していて、今後は業務のデジタル化などによって生産性を向上させることが大きな鍵を握ると話しています。