テレビ朝日が長期取材を行ってきたフィリピン残留2世の無国籍問題で、石破総理は来日が実現した際の面会について「日本の思いが伝わるのであれば実現したい」と述べました。

 フィリピン残留2世の多くは、太平洋戦争中に日本人の父親が戦死、強制送還されるなどして生き別れ、無国籍状態となりました。

 今も50人ほどが日本国籍を回復できず、フィリピンで暮らしています。

立憲民主党 塩村文夏議員 「親族探しを望む2世の訪日を80年という節目の日にこの日までに実現するべくどのように取り組んでいくのか」

石破総理大臣 「こういう問題がありますよということを知らない方々が日本人も大勢おられるわけで、これを日本国民の負担において渡航の費用あるいは親族探し、そういうことをすることは私は十分、理由のあることだと思う」

 石破総理は5日、参議院の予算委員会で、フィリピン残留2世の来日が実現した際には「総理大臣が会うことで、そういう方々に日本の思いが伝わるのであればぜひ実現したい」と面会について前向きな姿勢を示しました。

 戦前の国籍法では、父親が日本人の場合は子どもも日本国籍になりましたが、戦火で出生証明書などが焼けるなどして、親子関係の証明が困難な状態となっています。

 テレビ朝日では3年にわたり、フィリピンの離島などで暮らす残留2世が国籍回復を願い続ける実態を現地取材し、ドキュメンタリー番組などで放送しました。

 取材の過程で80年以上前の書類や写真が見つかり、また、日本国内で残留2世の親族の証言を得るなどして国籍回復につながったケースもありました。