今回の地震について、地震地質学の専門家は2021年2月に起きた福島県沖を震源とする地震と「ほぼ双子」のように似ていると指摘します。

 11年前の東日本大震災の影響とみられる地震は、数十年単位で続くとして、更なる注意に警鐘を鳴らします。

 地震地質学が専門の東北大学災害科学国際研究所の遠田晋次教授です。

 今回の地震について、2021年2月に福島県沖を震源とした地震と地震の規模や深さが「ほぼ双子のように同じ」と指摘します。 遠田晋次教授「2021年の地震とほぼ双子のような地震なんですけれども、それぞれしっかり見るとちょっと特徴があって、今回の方が揺れが強かったと言えると思います」 今回の地震は、陸側のプレートの下に沈み込む太平洋プレートの中で起きました。

 太平洋プレートは一定の速度で陸側のプレートの下に潜り込んでいますが、沈み込む力が蓄積してしまい、押し合う力でプレートの内部に断層ができました。

 震源は、沈みこんだプレートの内部でこれまでの余震より比較的深いものでしたが、陸との近さが強い揺れにつながったということです。

 遠田晋次教授「ちょっと深いとはいえ、陸に近いので、地震のエネルギー断層の動きのエネルギーが直接、我々の住んでいる所に届く、弱まることなく届くということで強い揺れになったということです」

 更に、断層の延びる方向が福島県の方に向かう南西だった2021年の地震に対し、今回の地震は北西の宮城県の方向に向いていたため、特に県北部で震度6強など強い揺れになったとみられます。

 今回の地震は午後11時36分の最大震度6強の「本震」の2分前にマグニチュード6・1「前震」が起きました。2つの地震が続いたことによる影響とは?

 遠田晋次教授「むしろ最初の地震があったことで、夜の11時過ぎ、人々が一度起きたとか何らかの行動があったので、ある意味では被害は少なくて済んだのではと考えています」

 2021年の2月、3月、5月と東日本大震災の影響とみられる地震は、11年が過ぎたこれからもまだ続くのでしょうか。

 遠田晋次教授「3・11で大きくずれ動いたところは静かになっているが、それを取り囲むように地震が起きやすい状態になっている。これがいつ終わるのかというのが問題なんですが、いろんな解析をするとやはり数十年は続くのではないか」