人口減少やコロナ禍を背景にローカル鉄道の見直しをめぐる論議が全国に広がっています。見直し論議の対象には宮城県内の路線も含まれる可能性があり、大崎市の伊藤康志市長はJR陸羽東線や石巻線などローカル線の存続を求めていく考えを示しました。

 JR東日本の深沢祐二社長は5月10日、利用者が極めて少ないローカル線について区間別の収支を2022年内に公表する考えを示しました。

 地元自治体に関与してもらったり、バスへの転換を進めたりといった見直しに向けたものです。すでにJR西日本とJR九州はローカル線の見直しに向け地元自治体と話し合いたい対象として、1日あたりの通過人数が2000人に満たない区間の収支を公開しています。

 JR東日本は、対象とする区間を公表していませんが、先行したJR西日本などにならうと、宮城県内では石巻線や陸羽東線の一部などが対象になる可能性が大きくなっています。

 市長会長でもある大崎市の伊藤市長は危機感を募らせ、27日の市町村長会議で存続を求めていく考えを示しました。

伊藤康志市長「公共交通として不可欠であり街づくりに欠かせないもの。地元では陸羽東線や石巻線がそういう利用をされている。知事にはぜひ、不安を払拭し頂くように」

 市町村長会に出席した村井知事は「国としっかり協議して参りたい」と応じました。

 宮城を含む28道府県の知事は5月中旬、斉藤鉄夫国土交通大臣に対しローカル線をめぐる緊急提言を行い、「不採算区間のみを切り出して扱うことや、採算・収支を過度に重視した発想に陥らないこと」を求めていました。