津波の恐ろしさなどを伝えてきた、宮城県気仙沼市唐桑の津波体験館が、26日で38年の歴史に幕を閉じることになりました。

 唐桑半島のビジターセンターにある津波体験館は、津波の恐ろしさを映像や音、風や座席の振動などで疑似体験できる日本初の施設として1984年に開館しました。

 震災前は、明治三陸津波や昭和三陸津波の記録が中心でしたが、2013年に映像をリニューアルし東日本大震災の教訓を伝える役割も担ってきました。

 最盛期の1991年には年間6万2000人以上が訪れましたが、ここ数年は新型コロナの影響もあって来館者が大幅に減少し、2021年度は2000人ほどにとどまっていました。

 唐桑半島ビジターセンター千葉光広館長「日本で初めての津波体験館として整備された施設でもありますので、体で体験できる施設であったものですから、そういうものがなくなるのは寂しいなという気は致しますね」

 ビジターセンターの改修に伴い、38年の歴史に幕を下ろすことが決まった津波体験館。訪れた人たちからは閉館を惜しむ声が聞かれました。

 来館者「海に面したこの場所で、ああいった体験を一緒に実感できるということは大切な施設だと思います」「こちらが閉館されるっていうので来てみました。当時の悲しい気持ちがよみがえってきてしまって涙が出て来ました」「ここだけじゃなくていろんなところで(震災伝承)やってますけども、ここはここで独自のものでずっと根付いているものがあるので、数とか規模は小さくなってもそういうのは大事じゃないかなと思いますね」 ビジターセンターには今後、VR(などを活用し津波の脅威や発生のメカニズムを学べるコーナーを設ける予定です。