安倍元総理の国葬は法的根拠が乏しい上、思想・良心の自由を侵害する恐れがあるなどとして、仙台弁護士会が実施に反対する声明を発表しました。

 仙台弁護士会は8日、安倍元総理の国葬に反対する岸田総理宛ての声明を発表しました。

 政府は、内閣府設置法を根拠に国の儀式として閣議決定すれば国葬を実施できるとしていて、8日の国会質疑でも同様の見解を示しています。

 仙台弁護士会では、内閣府設置法は所掌事務を定めた組織規範に過ぎず法的根拠にならない、国葬の要件や規定については閣議決定ではなく国会で審議するべきだとしています。

 更に、7月の葬儀の際に仙台市教育委員会が仙台市立の学校に半旗の掲揚を求めるなど、宮城県内で追悼に同調を求める動きが始まっているとして、思想・良心の自由を脅かす恐れがあると主張しています。

 仙台弁護士会・憲法委員会委員長十河弘弁護士「一定の政治的意図を持ってその方の業績をたたえ、追悼を求めるということになります。国民の思想良心の自由に大きな影響を及ぼすということは否定できない事実だと思います」