宮城県松島町の国宝・瑞巌寺で、前身の寺と関係があるとみられる当時の硬貨など約600年前の遺物が見つかりました。

 瑞巌寺では6月から防災工事のための調査が行われていましたが、9月に中門近くで中世の硬貨などの遺物が見つかりました。

 見つかったのは主に日宋貿易の際に使われていた、天禧通宝と呼ばれる宋銭です。

 松島町教育委員会米城百合子さん「文献でまだ調べができてはいないんですけれども、上に天、そして宝の旧字体があるので、天禧通宝という宋の時代のお金だということは、はっきり分かりました」

 松島町によりますと、この宋銭が初めて鋳造されたのは1017年ということは分かっているものの、いつから松島で使われるようになったのかなどは分からないということです。

 また、深さ70センチほどの地中から、黒い地層が見つかりました。

 瑞巌寺の前身、円福寺では約600年前に2度の火災の記録が残っていることから、その火災の跡の可能性もあると見て、町で慎重に分析を進めています。

 松島町教育委員会米城百合子さん「なかなか資料も少ないですし、昔の絵図があったわけでもないので発掘調査のデータを蓄積して明らかにしていく」

 瑞巌寺の関係者は「寺の前身である円福寺の初代住職が亡くなって750年を迎える年、にこうした遺物が発見されたことは非常に喜ばしい」と話しています。