障害がある人たちに不妊手術を強制していた、旧優生保護法についてです。被害者や支援者が問題の全面解決を求めて東京都内で大規模な集会を開き、参加した宮城県の被害者は一刻も早い救済を訴えました。

 東京都の日比谷公園で開かれた集会には、全国各地から集まった旧優生保護法の被害者や支援者、弁護団などが参加しました。

 旧優生保護法をめぐっては、2018年1月の仙台地裁を皮切りに国の責任を問う訴訟が全国各地で起こされ、2022年の2月と3月には大阪高裁と東京高裁で国に賠償を命じる判決が下されました。国は上告を決め、最高裁で争う姿勢です。

 一方で、国は2019年に被害者に対して一時金を支給する法律を作りましたが、全国で2万5000人に上る被害者のうち、支給が認められた人は1000人程度にとどまっています。

 25日の集会はこうした現状を踏まえ開かれ、仙台市から参加した被害者で原告の女性もマイクを握り、早期の救済を求めました。

 「被害者はみんな高齢化しています。裁判の結果を待っていては間に合いません。国は一刻も早く全面的な解決をしていただくよう強く求めます」

 集会では「全ての被害者に謝罪と補償をすること」「高裁判決に対する上告を取り下げ、全ての裁判で原告の訴えを認めること」などを国に求めていくことが決まりました。