これまでの物価高騰に加え、円安の影響は11月下旬にシクラメンの出荷を控える花農家にも大きな打撃を与えています。
宮城県涌谷町花勝山の涌谷園芸ファームです。
11月下旬の出荷を控えたシクラメン、40種類1万5000鉢を育てています。
寒くなるこの時期は、暖房に1日200リットルから300リットルの重油を使います。
前年も1リットル当たり97円と高値でしたが、2022年は105円ほどと更に値上がりしました。
花の栽培に欠かせない肥料や土も輸入に頼っていて、肥料は10キロで8000円から1万5000円に、養分が入った土は100リットルで3800円から5000円に値上がりしました。
また、最近は円安の影響でプラスチック製の鉢も値上がりしていて、数万個単位で購入するため負担が増しています。
涌谷園芸ファーム手嶋一郎さん「今あるものを買わざるを得ないから、企業努力でどうこうしろという段階ではないと。10年頑張ろうかなと思ったけれども、廃業するのにあと2、3年頑張ったらどうするか決めるという生産者も次々次々出てきています」
手嶋さんによりますと、消費者に引き続き花を買ってもらうためには、販売価格を値上げしても1割程度が限度で、コストの上昇分を補うことはできないと言います。
涌谷園芸ファーム手嶋一郎さん「とにかく持続していくための国のバックアップ、それをお願いしたいと。消費者の方々にこれぐらい今の花農家は厳しいんだよと、ちょっとでもいいので分かってほしいなと思います」