新型コロナの感染急拡大で、病院で処方する薬が品薄状態になっています。医療現場は、同じ種類の薬を複数のメーカーから仕入れるなど対応に追われています。

 仙台市泉区の仙台徳洲会病院では、25日も病院の駐車場に設けた発熱外来に次々と患者が訪れていました。

 徳洲会病院では今週に入り連日100人近い人が発熱外来を受診していて、陽性率は約7割です。

 感染者の急増に、薬の供給はぎりぎりの状態が続いています。

 尾形勉薬剤部長「ずっともう第1波から慢性的に続いてはいるんですけれども、8月のお盆ちょっと前からもう強烈な品薄状況にある。コロナで皆さんお薬欲しいんですよ、罹患された方はですね。何とか処方してあげたいとお薬の確保を頑張っているんですけれども、なかなか難しい状況にあるのが現状です」

 たんや鼻水を体の外に出しやすくする薬は、必要な量を集めるため同じ種類の薬を4つのメーカーから取り寄せています。

 尾形勉薬剤部長「一生懸命メーカーさんであったり卸さんであったりやり取りをしながら、できるだけ薬を入れてもらっている。ただこれでもあと数日で無くなる量ですので、かなり厳しい状況にあるのは間違いないです」

 厚生労働省は今週、新型コロナの飲み薬として開発された、ゾコーバを緊急承認しました。

 12月初めにも供給が始まりますが、新薬の登場は薬の品薄を解消できるのでしょうか。

 尾形勉薬剤部長「ゾコーバがどういう効果であったりいろんなクエスチョンもありますし、そこの評価はこれからたくさんの症例に使われて評価されるかと思っているんですけれども、それが出たからといってこういった薬の品薄状態が解消するかというとしないです」

 仙台徳洲会病院では、7日間の療養が必要であれば日数分の薬を調剤していますが、このまま品薄状態が続けば、そういった場合でも5日間に短縮することも検討しなけらばならないとしています。