改正道路交通法の施行に伴い、4月から自転車に乗る人のヘルメット着用が努力義務化されました。ヘルメットが品薄になっている販売店もある一方で、着用している人の数はいまだ少ないのが現状です。
仙台市青葉区中央のハヤサカサイクル仙台中央店です。
ヘルメット着用の努力義務化に伴い、3月から問い合せが急増。主に50代以上の女性を中心に比較的カジュアルなデザインの商品が良く売れています。
ハヤサカサイクル仙台中央店千葉勇太副店長「非常に多くの問い合わせをいただいておりまして、3月いっぱいの1カ月で見た時に例年の5倍以上の売り方をしている状態。少数ですが、在庫しているブランドを中心に何とか売り場を拡充させている状態」
こちらの店舗では、5日も多くの人がヘルメットを買い求めていました。
「努力目標と言われていたので、着用しなくても良いと思ったけど、用意だけしておけばとりあえず良いかなと思って来ました」「新生活で、母親と別れて迷惑を掛けるわけにはいかないので、けが防止というのは必要かなと思っているので、ヘルメットはかぶっていこうと思っています」
これまでヘルメットの着用が求められたのは13歳未満の子どもでした。しかし、改正道交法の施行により、全ての自転車利用者が対象となりました。ただし、罰則はありません。
小笠原侑希記者「改正道交法の施行から5日となりますが、仙台市中心部でもヘルメットをかぶっている人はほとんど見受けられません」
「義務じゃないからまだ買っていないってのがあって、義務になってから買えば良いかなと思って」「髪がつぶれてしまう(から着用しない)」
JAF=日本自動車連盟が、自転車同士の出会い頭の衝突事故を再現した動画です。
子どもと大人が乗った3人乗りの自転車と、1人乗りの自転車が時速20キロで衝突したと想定し、ヘルメットを着用していた場合と着用していない場合で、頭部に受ける衝撃=HICの数値がどの程度違うのかを検証しました。
その結果、自転車の後ろに乗っていた子どもが頭に受けた衝撃=HICはヘルメットを着用していた場合が949、着用していなかった場合が1万5951となりました。
その差は、約17倍でした。
1万5951という数値は非常に高く、頭蓋骨骨折や脳挫傷などにより重度の後遺症が残ったり死亡したりする危険がある数値だということです。
今後、ヘルメットの着用率をどのようにして上げていくかが大きな課題になりそうです。
宮城県警によりますと、2022年までの5年間、自転車事故による宮城県の死傷者は3702人で、そのうちヘルメットを着用していたのはわずか6%でした。
細かく見ていくと、死亡した24人のうち23人、重傷の542人のうち514人がヘルメットを未着用でした。
非着用者の致死率は着用者の約1.5倍なので、ヘルメットの未着用が万が一の際に大きなけがにつながることが分かります。