全国最大の筋子の消費地、仙台市中央卸売市場にアラスカ産の紅鮭筋子が初入荷しました。
2日朝、仙台市中央卸売市場にはアラスカのカッパーリバーで取れた紅鮭から採卵し製造した筋子195キロが運び込まれました。 カッパーリバーはアラスカで最も早く漁が解禁された川で、6月いっぱいは鮮度が高く冷凍していない筋子が入荷されるということです。
取引価格は最も高いもので1キロ当たり6000円と、冷凍ものに比べて2000円ほど高くなりました。
仙台市場は全国の主要な市場の中で最も筋子の取扱量が多く半分以上を占めていて、550トンほどを入荷する予定です。
仙都魚類製品部岩田晋也部長「非常に出来が良くて、近年まれに見る品質の良さだと思います。仙台は日本全国でも筋子の消費量がトップクラスなので、この時期限定での時期にしか味わえないチルドの空輸の筋子を味わっていただきたいと思います」
筋子の取扱量がなぜ、仙台市場で多いのか。三陸の食文化が影響しているようです。
宮城大学で食品加工などを研究している西川正純教授です。
宮城大学西川正純教授「(三陸で)江戸時代になって塩漬けの技術ができて、鮭の魚卵を塩漬けにして食べていく、それが筋子とかあるいはほぐしたイクラになっていくわけですけれども、その食文化が地域の方に広がっていったと言われています」
江戸時代、筋子は貴重な保存食で藩主への献上品にもなっていました。
仙台市場によりますと、1年のうちお盆や年末年始の取扱量が多いということで、今でも帰省シーズンには欠かせない食材となっています。
宮城大学西川正純教授「食卓でなじんで食べてきたものが筋子なのかなと。季節の味わいとしてこの時期に筋子を食べるんだという文化は、やはり東北地方にとって大事なものではないでしょうかね」