健康保険証とマイナンバーカードを一体化したマイナ保険証をめぐり、システムを導入している宮城県の医療機関の7割で情報が正しく反映されていないなどのトラブルが報告されていることが分かりました。

 政府は、マイナンバーカードを健康保険証として利用するマイナ保険証の普及を急速に進めていて、2024年秋に現行の健康保険証を廃止し、マイナ保険証に一本化する方針です。

 受診受け付けの自動化で医療の負担を軽減できるなどのメリットがある一方で、現場からはさまざまな問題点が浮かび上がってきました。

 宮城県の開業医などで作る県保険医協会が5月から実施したアンケートによると、マイナ保険証を扱っている宮城県86の医療機関のうち73.3パーセントがトラブルを経験していることが分かりました。

 「保険者情報が正しく反映されていなかった」が最も多く、次いで「パソコンの不具合などで読み取りができなかった」などが挙げられました。

 また、保険資格を確認できず、いったん患者に10割負担を請求する事例もあったということです。

 県保険医協会笠井一臨事務局長「せっかくマイナ保険証にしたのにやった意味がないんじゃないかという怒りのご意見は結構あるようですね。余計な手間がかかっている、人員が割かれて非常に事務が煩雑になっているという状況」

 マイナンバーカードをめぐっては、マイナポイントが他人に付与されたり、コンビニで他人の証明書が発行されるなどトラブルが相次いでいて、岸田総理大臣はシステムの再点検などを行うよう指示しています。

 県保険医協会笠井一臨事務局長「国がマイナンバーカードの普及を進めるためにですね、医療が人質に取られているというか、医療が利用されているような気がしています。原因を明らかにして見直しをするべきなんじゃないかと思います」