宮城県石巻市発注の公共工事をめぐる官製談合事件で、入札の最低制限価格が算定できる設計書のコピーが市の職員側から土木会社に直接、手渡されていたことが分かりました。
官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された石巻市下水道建設課の職員、星洋一容疑者(50)と寺内友和容疑者(46)の身柄は、11日午後に仙台地検に送られました。
石巻市の土木会社、遠藤興業社員の遠藤光弥容疑者(67)が公正な入札を妨害した疑いで送検されました。
警察によりますと2023年2月、石巻市が発注した下水道工事をめぐり星容疑者と寺内容疑者が遠藤容疑者に対し、入札に関する工事の最低制限価格を算定する情報が記載された設計書を渡し、公正な入札を妨害した疑いが持たれています。警察は、3人の認否を明らかにしていません。
工事の入札は2023年2月15日に行われていて、その2週間ほど前に職員側から直接土木会社に設計書のコピーが手渡されていたということです。
入札には8つの業者が参加し、4345万5004円の最低制限価格に対し遠藤興業が約24万円差の4370万円で落札していました。
石巻市によりますと、設計書は担当課の課長が決裁後に封印され入札当日まで鍵の掛かったロッカーで保管されるということですが、星容疑者と寺内容疑者はいずれも決裁の過程で設計書を確認できる立場でした。
職員逮捕を受けて、斎藤正美石巻市長は11日午後「市民の信頼は根底から揺らぎ極めて深刻な状況にある。公平公正な業務の遂行に全力を挙げて取り組んでほしい」と職員に訓示しました。
石巻市は、職員の処分について捜査状況を踏まえながら厳正に対処するとしています。