空港で飛行機の誘導などの地上業務を担う人材を確保するため、ANA全日本空輸とJAL日本航空は社内資格を相互に承認する取り組みを始めました。仙台空港でも新たな制度による業務がスタートし、人材の早期育成と業務の効率化が期待されます。

 空港で飛行機の牽引や荷物の積み下ろしなどの地上業務を行うグランドハンドリングのうち、マーシャリングという飛行機の誘導業務で誘導員はJAL機を誘導した後、ANA機の業務に移りました。

 ANAとJALはグランドハンドリング業務を外部の事業者に委託していますが、4月1日から全国10の空港で業務に必要な社内資格のうち、基礎的な7つの資格について相互に承認する取り組みを始めています。

 これまでは同じ業務であっても航空会社ごとに決められた訓練を受ける必要があり、発着便の少ない地方空港では実際の機体での訓練が行いにくいなど、取得に時間がかかることが課題となっていました。

 今後はANAかJALいずれかの資格を持っていれば、もう1社については知識の確認や座学の受講のみで取得することができます。訓練にかかる日数が大幅に短縮され、人材の早期育成や業務の効率化が期待されます。

 日本通運千葉晃史さん「効率的に資格を取ることができたので、今の若手も資格を取って仕事の幅が広がると思うのでとてもいいと思う」

 グランドハンドリングはコロナ禍で減った人手が需要の回復に追いつかないなど今後の人手不足が懸念されていて、国が対象資格の拡充や業界内の資格の統一なども視野に議論を進めています。