生鮮カツオの水揚げ27年連続日本一を誇る宮城県の気仙沼漁港で、秋の戻りガツオ並みに脂が乗ったカツオが連日、水揚げされています。専門家は、気候変動による海流の影響を指摘しています。

 9日の気仙沼漁港には、一本釣り船やまき網船6隻が入港し青森県沖などで取れたカツオ63トンが水揚げされました。

 第18清福丸水谷数也漁労長「秋に取れる脂が乗っているのが戻りガツオなんだけど、今取れる」

 天龍丸岡本茂漁労長「この時期にこんな脂の乗ったカツオが釣れることは今まであまりない」

 地元の鮮魚店では、朝からカツオを買い求める人の姿がありました。

 「宿で出たカツオを食べたら結構脂の乗りが良くておいしかったんですよ。今の時期では早いんじゃないかなって」

 専門家は、黒潮の大蛇行の影響で例年より北に形成されている漁場が大きく関係していると言います。

 水産資源研究所青木良徳主任研究員「黒潮から切り離された暖かい水が、北の方まで移動している。その暖かい水の中にカツオも入って移動している」

 「表層の水温は暖かいけど深いところの水温はものすごく冷たくて、表層にはいられるんですけど、深くまでは潜れないというのが今の漁場の特徴で、あまり運動できない」

 「餌が豊富で更に運動量も落ちるということで、それが脂の乗りにつながっていると考えています」