去年、東京・杉並区で当時小学1年生の女の子と母親を車ではねて死亡させた罪に問われている男に対し、東京地裁は禁錮3年の実刑判決を言い渡しました。

 漆原宏太被告(51)は去年12月、杉並区の井の頭通りで杉本千尋さん(43)と娘の凪さん(6)を車ではねて死亡させた罪に問われています。

 今月19日の判決で東京地裁は「アクセルやブレーキを的確に操作するという基本的な注意義務を怠っていて、過失の程度は小さくない」「家族で温かな時間を過ごしていたところを突然、車でひかれて命を奪われた母子2人の苦痛や無念さは計り知れず、目の前で妻子を失った遺族の喪失感や辛さはとても大きい」などと指摘しました。

 そのうえで、漆原被告に禁錮5年の求刑に対して禁錮3年の実刑判決を言い渡しました。

 これまでの裁判では、遺族が「運転手を恨むことができないから辛い。気持ちのやり場がありません。天災だと割り切るしかありません」などと記した文書が読み上げられました。

 漆原被告は起訴内容を認めていて、「大変、申し訳ないと思っています」などと謝罪していました。